虚血性心疾患以外の胸痛 その2

胸膜に関係する疾患でも胸痛がおこります。肺には痛みの神経がないのですが、胸膜にはあるので、胸膜に関係する病気には痛みが生じます。

胸膜腔の中に空気がたまる状態を気胸といい、気胸になると、空気が取り込めず呼吸がうまくできなくなります。肺の上のほうにできやすいブラ(空気の溜まった袋)が破れ肺の表面に穴が開くのです。そのため、胸膜腔の内圧が上昇し、息を吸っても肺が広がらなくなり、呼吸がうまくできなくなるのです。やせ型の男性に多い症状です。

突然、呼吸困難を伴う胸痛が起きます。緊張性気胸では血圧が低下するので緊急処置が必要になるのですが、自力で徒歩来院して一般外来を受診するケースもみられ、この場合、胸痛より呼吸困難のほうが症状としては強く出ていることが多いようです。

胸膜に炎症がおこり、痛みを引きおこしているケースもあります。胸膜炎、膿胸という疾患です。

胸膜炎とは、胸膜に炎症がおこり、浸出液が胸膜を通り抜けて胸腔内に水が生じている状態のことをいいます。

膿胸は、胸膜に細菌感染症がおこり、胸膜腔に膿がたまった状態のことをいいます。

発熱や悪寒を伴います。痛みは、鈍い痛みで、呼吸時に片側が痛み、肩のほうまでに放散します。慢性膿胸では発熱や胸痛も認められないことが多いです。

心臓をつつむ膜(心膜)にも炎症がおこるケースもあります。胸痛を伴う症状として、心外膜炎があげられます。

ウイルス性、がん、尿毒素性など、炎症を起こす原因は多岐にわたり、急激に心膜液が増えると、心タンポナーデが起こることもありますが、心筋拡張障害が起こっていない場合の心膜炎・心膜液貯留であれば、鎮痛剤の服用で痛みや発熱の症状をやわらげ、安静に過ごすことで回復することも多いようです。